PERSONALITY: Duggan Marik


名前: ダガン・マーリック
称号/階級: マーリック共和国選出議員
地位: 通産大臣
生誕地: 惑星“アトレウス”
年齢: 41
性別: 男性

略歴:
 ダガン・マーリックはヤノスの三男であり、生き残りの男子の中で最年長者である。彼はここ4期に渡りマーリック共和国選出の議員であり、3022年にヘクター・スチュアートによって通商大臣に任命されている。深い二重顎を持ちかなり肥満しているが、ダガンのその顔の大部分を覆う様な髭、その煌めく眼、その愛嬌のある性質は、女性に対しては常に良く働くものであり、それは彼を“アトレウス”の社交界で最も人気のある独身男性の1人へとしている。しかしながら、この彼の穏やかさと楽天的なイメージは、かなりの深さの脅迫的な野心を持つ男を覆い隠しているものなのである。

性格:
意欲/欲求/目標:

 過去数年間に渡り、首都周辺ではダガンが次の総帥になるという噂が増加しつつある。そして、それはダガン自身が巧妙に広げる事を試みているものなのである。この通商大臣はレグルスとギブソンの選出議員達によって特に好かれており、もし彼がヤノスの後継者に指名されたのならば、それらの長年の反対者達を支持者に戻す事ができる可能性がある。しかし不幸な事に、ヤノス・マーリック自身は彼の事を自分の後継者として真面目に考えた事は一度もないのであった。トーマスという選択は、ダガンにとってほぼ確実に非常に大きな衝撃となると思われる。そして、自分の弟が舞台に登場した時に、この大臣がどの様な反応を示すかは全く見当が付かないものである――その新たな短期的愛人のブロンウェン・ラフサーニの自分本位の性質を鑑みると特に。

様子
 ダガンは前々から、少しばかり盗みをしてしまう性癖を持っている。通産大臣になって以来、彼は商人達から献金を受け取り、契約や有利なライセンスを求める貿易業者達から賄賂を受け取り、内部情報――これは自由世界同盟株式市場に於いて彼が幾つかの大儲けをするのに寄与している――を受け取っているのである。しかし、それにも拘らず、彼は自身が有能な行政官である事も示しており、その率直な“好意の為の好意”というスタイルは彼の省の職員や彼が指導する企業達に評判が良い事を証明してきている。彼は自分の父親の情人であるブロンウェン・ラフサーニとの自分の情事が同類同士の取り決めである事を理解してはいるが、彼女の魅力によって彼の心の奪われ具合が深くなっている事は、彼がそれに深く嵌り込みつつある事を指し示している。

特技/能力:
 無し。



私評:
 3025年代で生き残っているヤノス・マーリックの男子の中で最年長者だった彼は、最有力の総帥職継承候補者と目されていました。しかし、彼はヤノスには余り気に入られてはいませんでした――彼の人心操作術の巧みさと欲深い性質が嫌われていた様です。
 3030年にヤノスが心筋梗塞で倒れた時、彼はライバルのダンカン・マーリックと自由世界同盟総帥代理の座を巡って火花を散らしましたが、突然に表舞台に出てきたトーマス・マーリックに足下をすくわれます。結局、同盟議会の承認を得て摂政の座に就いたのはトーマス・マーリックで、一先ず彼は引き下がる事になります。
 そして3035年、マーリック一族の主要メンバーを集めた戦略会議に出席した彼は、ヤノスと共に会場に仕掛けられていた爆弾によって吹き飛ばされました。有能な行政官で官僚からの支持も篤かった彼はまだ総帥継承レースでの巻き返しが可能だったかもしれず、この死は彼にとってはさぞかし不本意なものだったのでしょう。もっとも、彼が生きていた場合、自由世界同盟の内戦の火種が残される事になりますので、自由世界同盟にとっては良かった事なのかも知れませんが……。


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