PERSONALITY: Dame Catherine Humphreys
名前: デイム・キャサリン・ハンフリーズ
称号/階級: アンドゥリエン女公
地位: アンドゥリエン指導者
生誕地: 惑星“アンドゥリエン”
年齢: 74
性別: 女性
略歴:
74歳であるキャサリン・ハンフリーズは、自由世界同盟に於ける数少ない名声を得ている貴族の1人であり、その上、ヤノス・マーリックより年上の人物でもある。その青年期には、彼女はアンドゥリエン防衛軍の気圏戦闘機パイロットとして目覚ましい働きをし、昇進して第1連隊のレミントン航空中隊の指揮官へとなっている。2989年に自分の伯母のモルガンが暗殺された際に彼女は公爵の座を継承し、それ以来自由世界同盟政治に於ける活動的な勢力であり続けている。
デイム・キャサリンのリーダーシップの下、アンドゥリエンとその11の従属国は厳格な孤立主義の方針で進み、総帥とその同盟議会の政敵達、両者にとっての狼狽の源となっている。“自国防衛法”を楯に、この女公はほんの僅かな軍事的支援を除き、マーリックの戦争努力に対して如何なる寄与をするのも断固として拒否している。極最近には、彼女は“自国防衛法”を利用してアンドゥリエンの防衛産業工場のその生産品を“惑星防衛に必要不可欠なものである”――従って総帥への物資の流れを制限する――と宣言するのを認めさせる事さえも試みているのである。しかしながら、それと同時に、(デイム・キャサリン自身もしくはジョナサン・スティールによって率いられている)アンドゥリエンの選出議員達は、 “決議288号”の破棄と総帥から現在の権威を取り除く事を試みている抵抗勢力(レグルスとカーリダーサによって率いられている)へ自分達の力を貸す事も同様に断固として拒否しているのであった。境界域保護国のタム・シンフンは多くの者達の代りにこう語っている――「あの女(キャサリン)が知っているのは、「ノー!」という糞ったれな言葉だけだ」と。
性格:
意欲/欲求/目標:
公爵の座を継承して以来、キャサリンの展望は常にアンドゥリエンの国益の防衛と拡大をする事のみにある――その国益が自由世界同盟の目標と一致するかどうかに関係なく。11年前のアントン・マーリックの反乱は、自由世界同盟から離脱をするという彼女独自の観念を熟考する事を促している。キャサリンは自分のささやかな地方軍がマーリックの軍事力に耐えられると信じるほど無邪気ではないが、彼女はかような企てで生き残るのに必要とされる戦力を自分に供給する事ができる信頼の置ける同盟者を探す事にここ10年間を費やしているのであった。
3018年のレグルスのキャメロン一族との予備的な交渉が決裂した後は、この女公はその興味を自由世界同盟の国境を越えた先、カノープス統一政体と、そのカリスマ的指導者のカイアラ・セントレラに対して向けている。カイアラは、カペラ大連邦国を攻撃するというカイアラの計画への助力をデイム・キャサリンが約束する事と引き替えに、10個メック連隊と50個装甲連隊でアンドゥリエンを防衛する事を誓約している。しかしながら、ROMの諜報報告は、カイアラの本当の計画はもっと非常に雄大なもので、アンドゥリエンのかなりの領域を占領する事も狙っているものである、という事を指し示しているのであった。キャサリンの独立の夢が文字通り自由世界同盟を引き裂くであろう軍事的冒険の単なる出しに使われるかどうかは、時が経てばわかるであろう。
様子:
キャサリンは、優雅で威厳に満ちた空気を常に纏っている。そして、この上品な外見は、自由世界同盟に於ける最も徹底したマキャベリ主義的精神の持ち主の1人を覆い隠しているものなのであった。彼女のそのアンドゥリエンの国益に対する飽く事を知らない策謀は、マクシミリアン・リャオの陰謀に匹敵する程のものである。
特技/能力:
無し。
私評:
アンドゥリエン公国の指導者であるデイム・キャサリン・ハンフリーズは、熱烈な愛国者かつアンドゥリエン第一主義者で理解しやすい人物でもあります。ただ、それだけに彼女の方針は確固としすぎており、柔軟性に欠ける嫌いがありますが。
彼女の究極的な目標は、怨敵であるリャオ家を無力化する事とアンドゥリエン公国の独立でした。その為に彼女は第4次継承権戦争後に独立宣言をしカノープス統一政体と同盟してカペラ大連邦国に攻め込んだりとしますが、うまくはいきませんでした。アンドゥリエン戦争後半に孤立したダンカン・マーリックを戦死させる事には成功したものの、それに代って戦争指導に乗り出してきたトーマス・マーリックに対する他の自由世界同盟諸国の支援は篤く、彼が集めた戦力にアンドゥリエン一国では抗し得なかったのです。
戦争に敗北し自由世界同盟軍に囚われた彼女に対しては反逆罪容疑の裁判が行われる予定でしたが、幸運な事に3040年3月19日に彼女は心筋梗塞で亡くなり裁判に掛けられる事は回避できました。もっとも、アンドゥリエン公国自体は(アンドゥリエン防衛軍も解体させられて)不幸にもその後8年間に渡り自由世界同盟の占領下に置かれましたので、彼女の失敗は大きな災厄を彼女の愛した国に残す事となったのですが。
彼女の遺志は孫娘のダルマ・ハンフリーズにも受け継がれている様であり、彼女も3060年代に様々な政治運動をしています。デイム・キャサリン・ハンフリーズは、良くも悪くもアンドゥリエン公国を象徴している人物でしょう。