出典: Technical Readout: 3057 Revised Edition

トランプ級航宙艦

技術: 星間連盟
製造年: 2754年
重量: 250000t
全長: 640m
帆直径: 1160m
燃料: 500t(1250)
重量(t)/噴射日: 39.52
位置維持噴射: 0.1G(0.2噴射)
帆強度:
K-F機関強度:
放熱器数: 122
中枢強度:
BV: 1652

装甲
  艦首:
  前方両舷側:
  後方両舷側:
  艦尾:

貨物
  第1隔室: 小型船(2) 扉数2
  第2隔室: 積荷(1418.5t) 扉数1
  第2隔室: 積荷(1418.5t) 扉数1

貨物[リチウムフュージョン・バッテリー搭載型]
  第1隔室: 小型船(2) 扉数2
  第2隔室: 積荷(171.5t) 扉数1
  第2隔室: 積荷(171.5t) 扉数1

降下船搭載可能数:
重力デッキ数: 1(直径140m)
脱出ポッド数:
救命艇数:
乗員数: 士官4人、下士官/兵員15人、砲手4人、隔室人員10人

弾薬: AMS弾薬144発(12t)

注: 39tの通常型装甲を装備

注[リチウムフュージョン・バッテリー搭載型]: リチウムフュージョン・バッテリー・システム、31.5tの通常型装甲を装備

武装:
艦首(発熱26)
  2×ER大口径レーザー
  2×AMS(24発)
左/右前方舷側(発熱13)
  1×ER大口径レーザー
  2×AMS(24発)
左/右後方舷側(発熱13)
  1×ER大口径レーザー
  2×AMS(24発)
艦尾(発熱26)
  2×ER大口径レーザー
  2×AMS(24発)

概要:
 このトランプ級航宙艦は、新たな設計のものでは決してない。2754年に最初に進宙したこの武装航宙艦は、辺境の未開の宙域にて取引をする貿易業者達の間でかなりの成功を収めた。この船は継承権戦争を通じて途切れ途切れに建造が続けられたが、多くの国家はその優秀な輸送能力の為に僅かにより大型であるスターロード級を購入するようになっていった。そして30世紀初期には、この航宙艦を建造していた造船所の大部分はより人気のある存在であるスターロード級の建造に転換していた。
 アンドゥリエンに対する自由世界同盟の戦争が3040年に終結した後、スターロード級の製造業者であったセラシス・インコーポレーテッド社は自社の市場占有率を拡大する為の方法を模索し始めた。ここで皮肉な事に、セラシス社はトランプ級の設計仕様に目を留めた。スターロード級に類似しているそのサイズは、セラシス社にとって機械設備の費用を劇的に節約できる事を意味していたのである――この企業の最初のトランプ級のプロトタイプは6年を経ずして進宙した。このセラシス社の最初のトランプ級の艦はその翌年に“ロイヤルティ”から“アルター”へのジャンプを行い、そして、それは即座に本格的な建造に入った。
 3052年8月、この新たなトランプ級のドライブ・コイルに欠陥が発見され、セラシス社はそれに小規模の改修を加える為に為に自分達がそれまでに建造していたその11隻の艦を即座にリコールした。その問題は欠陥のあるメッシュ・スピナーから生じたものであり、それは素早く修正されたが、既存の艦に修理サービスを提供するのにほぼ3年を要した。そして3055年6月になるまで、それの建造は再開されなかった。それ以降に建造されたこの艦は僅か3隻である。この出来事はトランプ級の性能に対する疑念を増加させており、それはこの艦を比較的容易に購入できるものへとしている。
 レーザー兵器と近接防御システムという組み合わせがこの艦の船体には点在しており、それらは攻撃と防御の混合された効果的な火力を提供している。降下船群はトランプ級の全長に渡り存在している3つのハードポイントにドッキングをするものであり、それらはこれらの兵器を補う事ができるものである。しかしながら、このトランプ級は装甲に関しては少量しか搭載しておらず、不可欠である戦闘機支援も持ってはいない。この艦は2つの小型船隔室を持ってはいるが、それらは現在製造されている戦闘機デザインの大多数にとって不適当なものである事が証明されているのである。
 幾らかのトランプ級航宙艦がノヴァキャット氏族の艦隊にて目撃されているが、それらは星間連盟時代の艦であると考えられている。セラシス社によって建造された型とは異なり、氏族のトランプ級はリチウムフュージョン・バッテリー・システムを使用している。


私的解説:

 トランプ級航宙艦は、31世紀の中盤に建造がされ始めた、中心領域では数少ない新型と言っても良い航宙艦です。トランプ級自体は元々は28世紀に存在していたものですが、搭載能力の優れたスターロード級との競争に負けて建造されなくなっていました。しかし、セラシス社の市場戦略によりトランプ級は復活する事となりました。
 トランプ級航宙艦の長所にして最大の特徴は、航宙艦としては充実しているその武装と防御兵装にあります。アレス条約が通用しない様な危険な宙域ならば、最低限の自衛能力を持ったこの艦は役立つ事でしょう。しかし、この艦の装甲が薄いのは大きな欠点だと思います。何と、その装甲重量はマーチャント級よりも低いものなのです。トランプ級はできればリチウムフュージョン・バッテリー搭載型に改装して、いざという時には連続緊急ジャンプができるようにしておきたいですね。

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