出典: Dropships and Jumpships

インベーダー級航宙艦

重量: 152000t
規模:
   全長: 505m
   帆直径: 1024m
乗員数: 22人、小型船操縦士2人
降下船搭載可能数:
駆動システム: KF マークVIIa
小型船定数:
製造年: 2631年
目撃頻度: コモン

インベーダー級航宙艦
K-F機関強度: 4
エネルギー収集帆強度: 4
位置維持機関: 0.1G
ドッキング・ハードポイント: 3
小型船収納室: 2
小型船隔室扉数: 2
重力デッキ: 1
燃料数(1噴射点/2t): 50
   燃費: 19.76t/噴射日
艦橋:
放熱器数: 0+116

重量
145000
50
1836
3000
400

100
50

383


装甲値(6点/t): 360
  司令区画
    艦首
    右側面
    左側面
  貨物区画
    右側面
    左側面
  機関区画
    右側面
    左側面
    位置維持機関
  武装:
    PPC
    PPC
    or
    大口径レーザー
    大口径レーザー

60

50
45
45

60
60

35
35
30

14
14

10
10

概要:
 “インベーダー級航宙艦”は、継承国家内で運用されている最も一般的な航宙艦である。3隻の降下船を輸送できる様に設計されたこのインベーダー級は1000t近い積載能力を持っている。その利用可能性と効率の良い設計は、この艦を通商や大規模な傭兵部隊での運用の両方に適した存在へとしている。また、このインベーダー級は、継承国家の正規軍で最も一般的に使用されている航宙艦でもある。
 このインベーダー級の重量は約15200tで、全長は505mである。この艦の太陽帆は全展開した際、直径で正に1kmを越える。この艦の外観は、その他の航宙艦の多くに良く見られる針に似た形状と同様のものである。直径65mと6mの幅の長さがあるその広々とした遠心力利用の重力デッキは、非番の者や客員に人工の重力を供給している。
 この航宙艦の最も顕著な特徴は、司令区画の両側面にそれぞれ据え付けられた巨大な2つのドームである。これらの巨大な構造物は水耕法の農園を内部に搭載しており、これは艦の乗員の為に新鮮な食物と酸素を供給し、その降下船群に分配したり将来に用いる為に貯蔵したりするのに十分な量の余剰品を産出するのであった。全インベーダー級の約70%の水耕プラントは保守が完全自動化されたものである一方で、残りの30%のものは乗員の手による日々の保守を必要としている。
 この水耕農園はこれらのドーム状構造物の大部分の空間を占めているのであるが、流星防御システム用に(ドーム内の)一部分は確保されている。このシステムは、当初は精密な長距離レーザーのセットで構成されていたが、このレーザーは多大な整備を必要とするものであった。今日、大部分のインベーダー級は、バトルメックのと同一のものである2門のPPCか2門の大口径レーザーを搭載している。多くのインベーダー級のレーダー・システムは、もはや流星と同じ小ささの物体を容易には識別できないのであるが、そのPPCや大口径レーザーは依然として接舷攻撃を撃退するのに有効である。
 これらのドーム構造物のその他の特徴は、そのデッキが艦の他のデッキと異なる方角に配置されている事である。艦が加速化にある際に起るであろう問題を軽減する為に、これらのドームは旋回式のアームに据え付けられている。そして、艦の位置維持機関を始動させる前に、これらのアームは旋回して向きを調整し、その結果、ドームのデッキは加速進路に垂直になるのであった。
 インベーダー級の司令区画の内部奥深くには、通信操作卓・電子位置測定板・星系地図板、映像表示パネルで満たされた巨大なブリッジがある。このブリッジは、インベーダー級を大規模な通商艦運用と任務部隊運用をするのに優れたものへとしている。
 12人のスタッフによって運用されるように設計されているのであるが、そのブリッジは20人に達する配置場所を有してもいる。個人は彼1人でシステムの大部分を操作可能だが、その多くの能力は夥しく低下する事になるであろう。完全に性能を発揮した場合、このブリッジは同時に10に達する数の通信ステーションとの通信を保持でき、惑星を舞台にする戦闘、部隊の移動や戦線を4つ監視でき、全面的な宇宙戦闘の監視もできるのである。
 大量の機械がインベーダー級のドーム構造物内に含まれて位置している事により、このシステムは頻繁に機能を停止する。もし、ドームが延伸されている場合、これは問題となるであろう――何故ならば、K−F機関によって生み出された超空間フィールドは(ドームが)延伸されている際は、これらの構造物を囲い込む事が不可能なのである。この様なケースの場合、K−Fドライブが作動しない可能性は30%である。更に、ドームを延伸して跳躍する事は、それらを半分に破砕する可能性がある。そして、この問題を解決する為に、多くの艦は単純に(そのドームを)引き込んだ位置に置いているのであった。
 ドームが引き込められている場合、流星防御システムは艦の後面範囲のみしか防衛しない。また、エネルギー収集帆が展開されている場合、艦は帆に命中させる事無く後方に射撃をするのが不可能である。
 如何なる継承国家もインベーダー級航宙艦への著しい集中はしていないが、中心領域の全航宙艦の約46%がインベーダー級である事を、信頼できる推定値は指し示している。これらの内、継承国家の軍が51%近くを運用し、貿易商人が32%を保有し、中心領域内で活動している傭兵団が17%を保有している。


私的解説:

 インベンダー級航宙艦は、バトルテック世界で最も一般的な航宙艦の1つでしょう。全体的な居住性はマーチャント級よりも劣り、スターロード級やモノリス級程はそのドッキング・システムは洗練されていません。しかし、広く普及している事によるメンテナンス面での利便性と広い重力デッキ、通信機器の使い勝手の良さは、多少の欠点を補って余りあるものでしょう。それに何よりも、宇宙空間で新鮮な野菜類を供給できる水耕プラントの存在は非常に魅力的です。傭兵部隊で長く使うなら、この船がいいですね。
 ちなみに、第4次継承権戦争後間も無く、ドーム延伸時の欠陥の修正法が発見され、それ以後順次インベーダー級は改装を受けてより安定した艦船へとなっています。間違いなく、この艦船は中心領域の活動を支えるワークホースだと言えますね。

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