出典: Technical Readout: 3075
エクスプローラー級航宙艦
技術: 中心領域
製造年: 2703年
重量: 50000t
全長: 205m
帆直径: 740m
燃料: 75t(750)
重量(t)/噴射日: 9.77
位置維持噴射: 0.10
帆強度: 3
K-F機関強度: 2
放熱器数: 79
中枢強度: 1
BV: 428
装甲
艦首: 7
前方両舷側: 3
後方両舷側: 3
艦尾: 3
貨物
第1隔室: 積荷(278.5t) 扉数1
第2隔室: 小型船(4) 扉数1
降下船搭載可能数: 0
重力デッキ数: 1(直径80m)
脱出ポッド数: 3
救命艇数: 0
乗員数: 士官1人、下士官/兵員8人
注: 1等船室×5、2等船室×5、27tの通常型装甲を装備
概要:
恐らく、星間連盟の富(もしくは、幾人かはやり過ぎと言うであろうもの)の最高の実例は、このエクスプローラー級航宙艦であろう。かつての“パスファインダー”を思い起こさせるこのエクスプローラー級は、新たな世界や新たなリソースを探査する為に設計されたが、それは28世紀に実施されている大規模探査ミッションには適していない事が明らかになった。
しかし、ここでイリアン・テクノロジーズ社は諦めるのではなく、この設計に多少の変更を加えて、政治的/経済的なVIP達を快適に中心領域を往き来させる高級輸送船を作り出したのであった。このエクスプローラー級は間を置く事なくステータス・シンボルとなり、これに素早くアクセスする事ができなかった如何なる企業や高位の人物も時代遅れになったり最高級の社交界にて有力な存在になれなかったりした。星間連盟の時代の終焉が間近な頃には、他人よりも一歩先を行くというその精神はエクスプローラー級の唯一知られている派生型――HPGを搭載した型、をもたらす事となった。それに必要な莫大な費用の為に、このオプションは巨大な政府や巨大企業、超大富豪に限られるものであった。そして、ある企業やある巨頭がこの船の購入を試みて破産した、という幾つもの物語が28世紀後期には伝えられていたものである。
僅か50000tであるこのエクスプローラー級は幾つかの降下船よりも小さく、より一般的な存在であるスカウト級のほぼ半分の大きさである。このエクスプローラー級はジャンプの際に降下船を搭載する事が不可能であり、その乗組員と船客を方々に運ぶのと貨物室への補充をするのに小型船を頼みにしている。その80mの重力デッキは船客と乗組員達に家の様なくつろぎを可能にさせると同時に模擬的な重力を作り出す為に推進剤を浪費する必要性をなくさせてもいる。
その乗組員達がより多くの時間を船客達への対応に割く事を可能にする為に、エクスプローラー級には幾つもの自動システムが装備されており、それは必要な場合には半分の人員でこの船を動かす事を可能にさせている。星間連盟の崩壊後に続いた暴力の中で、この非武装であったエクスプローラー級は容易な標的となった。軍事的価値が僅かである事により、それは護衛されているのが稀であったのである。そして、今日に生き残っているそれは極少数であり、現代の星間旅行に於いてほぼ忘れ去られている。
イリアン社が、残存するエクスプローラー級の大部分を所有している。その元・従業員達を出所とする噂は、イリアン社のそれらのエクスプローラー級の1隻もしくはそれ以上がその船体の何処かに隠蔽されたHPGを保持している事を示唆している。より陰険な1つの噂は、イリアン社がエクスプローラー級の1隻もしくはそれ以上に、その貨物を除去して隠蔽された準艦載兵器を組み込みQシップ(偽装した武装商船)に改装した、との可能性を示唆している。この“聖戦”の最中のアレス条約の失墜を鑑みると、かような行動は意外なものではないが、不可侵である航宙艦を隠蔽された兵器のプラットフォームへと変える事はこの上なく忌まわしいものである。