出典: Dropships and Jumpships

エクスカリバー級降下船

種別: 長球型
重量: 16000t
規模
   全高: 124.9m
   全幅: 113m
乗員数: 24人
積載可能重量、搭載兵員定数: 600t、兵員336人、メック12機、重車輌90輌
武装:
   2×PPC
   1×AC/5
   5×LRM−10
   3×大口径レーザー
   11×中口径レーザー
   1t、AC/5弾薬
   6t、LRM弾薬
駆動システム: GM48000
製造年: 2786年
目撃頻度: レア

エクスカリバー級降下船
安全噴射: 3
最大噴射: 5
中枢強度: 14
 
エンジン:
燃料数(6噴射点/1t): 1200
   燃費: 1.84t/噴射日
貨物隔室扉数: 1
メック収納室数: 12
メック隔室扉数: 1
車輌収納室数: 90
車輌隔室扉数: 2
歩兵収納室数: 12
歩兵隔室扉数: 1
艦橋:
放熱器数: 0+129

重量
3150
300
 

1200

9000

60

120


装甲値(14点/t): 700
  船首
  右側面
  左側面
  船体
  エンジン

武装:
  船首:

    AC/5
    LRM10
    中口径レーザー

  前部側面:
    PPC
    LRM10
    LRM10
    中口径レーザー
    中口径レーザー

  後部側面:
    大口径レーザー
    中口径レーザー
    中口径レーザー

  船尾:
    大口径レーザー
    中口径レーザー

50
150
125
125
200
100























概要:
 “エクスカリバー級降下船”は、敵の領域に諸兵科連合部隊を輸送すべく設計された大型兵員輸送船である。この船は2個装甲大隊、1個歩兵大隊と1個バトルメック中隊を運ぶ為の設備を保有している。
 エクスカリバー級の16000tの卵形の船体は、オーバーロード級降下船を短く太くしたものに似ている。これらの2隻の降下船の間で最も顕著な相違は、オーバーロード級が6基の格納式の着陸脚を装備している一方で、エクスカリバー級は船体下部側面に取り付けられた箱型の重構造物を4基有している事である。また、これらの構造物は固定式の着陸脚として任を果すのに加えて、降下船の後部側面のウェポン・ベイをも内蔵しているのであった。
 エクスカリバー級は、リズレーF−10スラスターが取り付けられたGM48000核融合推進システムによって動力を与えられている。併用時、これらのスラスターは船に1Gの加速をもたらし、3Gにまで達する噴射を数時間賄えられる。不幸な事に、この推進機関はもはや製造されておらず、近年はコンポーネントの軽度もしくは重度の故障に悩まされている。また、致命的なまでの予備部品の欠乏も存在しているのであった。結果として、エクスカリバー級のメンテナンスは非常に高価になりかねないものとなっている。しかしながら、それらの機関の問題があったとしても、この降下船は高効率の燃費を保持しており、その事はこの船を非常に効率の良い兵員輸送船の1つとしているのである。
 この船の4つの広々とした車輌ベイは、それぞれが重車輌を25輌、2500tの最大収容力を保持するに足る床面積を有している。しかしながら、エクスカリバー級は構造にストレスが生じている兆候を見せ始めており、それ故に、大部分の船は2000t〜2250tの最大収容能力を持つ事になっている。この事は、軽装甲部隊に関しては重大な問題とならない――しかし、シュタイナー家が持つ新型のロンメル戦車やパットン戦車の様な重車輌を装備している部隊は時折、この船の構造に掛かるストレスを防ぐ為に1個中隊全ての搭載を断念しなければならないのであった。
 エクスカリバー級はこれらの2つの車輌ベイに加えて、12のメック格納室を内蔵した狭隘なメック・ベイも搭載している。しかし、レパード級、ユニオン級、オーバーロード級の様な艦船とは異なり、このメック格納室はメックを輸送する為だけに設計されており、それ故にエクスカリバー級はメック修理施設を全く有していない。しかも、この船はメックを降下させる設備も有していないのであった。
 この船の上部区画には6つの兵員デッキがあり、それぞれ100人の兵員用のバラック型住居の宿泊設備、食堂設備、娯楽室を有している。共用の運動施設と医療施設は、この区画の様々な場所に位置している。
 兵員デッキの上は、この船の50人の乗組員用の宿泊設備のある乗組員デッキとなっている。そこには2人部屋が22部屋と、船長と船の高級士官用の1人部屋が6部屋存在している。この乗組員デッキは、(乗組員用の)独自の食堂と娯楽室を備えている。
 エクスカリバー級の戦闘能力は些か限られたものであり、この事はこの船に少なからぬ批判をもたらしている。船首には1基のオートキャノン/5、1基のLRM−10ランチャー、1基の中口径レーザーを搭載、前部側面には1基のPPC、2基のLRM−10ランチャー、2基の中口径レーザーを搭載、後部側面には1基の大口径レーザー、2基の中口径レーザーを搭載、船尾には1基の大口径レーザー、2基の中口径レーザーを搭載している。これらの武装は大きな打撃力を放つ事はできないが、組織的でない戦闘機の攻撃から船を守れはする。そして、この事は、何故エクスカリバー級が重武装の護衛無しに敵対的な領域に送られはしないかへの主要な理由ともなっているのであった。
 エクスカリバー級は通常、侵攻作戦への支援の供給と惑星攻撃後に援軍を輸送する事に指定されている。その軽武装により、この船は直接戦闘には関らないのである。
 惑星攻撃作戦の際には、エクスカリバー級は通常、戦場に侵入する最後の船の内の1つとなる。目標惑星の大気圏に入る前には、(その他の)気圏戦闘機と降下船が、エクスカリバー級が敵部隊によって苦しめられないであろう事を確実なものとする。その後に、この船は敵の砲火によって脅かされる事のない地域にて荷降ろしをする。輸送した部隊の編成と装備の量により、エクスカリバー級の軍事貨物を展開するには30分から2〜3時間の幅を必要とするものとなっている。
 一度積荷を降ろした後には、エクスカリバー級は通常の支援船としての任を務め、作戦支援基地から補給物資や予備部品を輸送する。そして、エクスカリバー級は標準的な民間降下船よりも良好に防御されている事により、この任務に非常に優れているのである。
 エクスカリバー級は一般的に、継承国家の軍や大規模の傭兵部隊以外によって運用されるには巨大すぎるものである。中心領域の大企業(これには商人や傭兵相手に広範な輸送事業を提供しているアキラ・トランスポート社も含まれている)の幾つかはエクスカリバー級を所有し、武装輸送船として運用している。
 近年の推進機関のメンテナンス問題の為に、多くのエクスカリバー級がスクラップにされ、予備部品用に解体されている。この傾向を逆転させるべく、エクスカリバー級のメジャー・ユーザーであるクリタ家は、ミュール級降下船で使用されているものと同一の推進機関の強化バージョンで以ってエクスカリバー級を改装する事を技術者チームに命じている。この推進機関は信頼性を証明しており、未だに製造されているものである。しかしながら、エクスカリバー級の幾つかがこれらの推進機関で以って改装されたのであるが、如何なる運用データもまだ得られてはいない。



私的解説:

 エクスカリバー級降下船は、コロッサス級降下船の後継として作られた破格の輸送能力を持つ軍用降下船です。ガウスライフルやアローIV、ER PPCといった先進的な武装を搭載していたコロッサス級に比べて火力こそ劣っていますが、エクスカリバー級は装甲と輸送能力の点ではコロッサス級と同等の能力を持っており、価格もコロッサス級の半分程となっています。故に、アマリス戦争でコロッサス級の製造工場が破壊された後にはエクスカリバー級がその位置に取って代っていきました。
 エクスカリバー級はその維持コストと軽武装(16000tなのに、3600tのユニオン級以下の武装しか持っていません)が問題ですが、その搭載能力はどの部隊にとっても非常に魅力的なものとなるでしょう。ただ、修理施設が付属してない事、メック降下設備を欠いている事等、メック部隊の運用にはエクスカリバー級だと制限が色々と掛かりますので、メック中心の部隊が使うには難しい船となっています。

 3025年代では、エクスカリバー級の命脈が保たれるか危ぶまれていましたが、上記のテクニカル・リードアウトに書かれているクリタ家の試みが成功を収め、3030年以降はミュール級のGE2080推進機関を搭載した改修型が生産されるようになりました。そして、3056年にはエクスカリバー級の火力強化型も作られ、3134年のダークエイジでもその姿が見られます。エクスカリバー級は、ロングセラーの降下船と言えるでしょう。

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