出典: Dropships and Jumpships

アキレス級降下船

種別: 航空機型
重量: 4500t
規模
   全長: 125m
   全高: 23m
   全幅: 37.4m
乗員数: 30人
積載可能重量、搭載兵員定数、航空機定数: 250t、兵員30人
小型機定数: 気圏戦闘機2機、小型宇宙船2隻
武装:
   6×PPC
   3×AC/20
   2×AC/10
   4×AC/5
   6×LRM-20
   1×LRM-10
   4×大口径レーザー
   12×中口径レーザー
   4t、AC/20弾薬
   4t、AC/10弾薬
   4t、AC/5弾薬
   17t、LRM弾薬
駆動システム: ジーベックス-12S
製造年: 2582年
目撃頻度: ユニーク

アキレス級降下船
安全噴射: 8
最大噴射: 12
中枢強度: 16
 
エンジン:
燃料数(6噴射点/1t): 1800
  燃費: 1.84t/噴射日
貨物隔室扉数: 1
歩兵収納室: 1
小型宇宙船収納室数: 2
小型宇宙船隔室扉数: 2
気圏戦闘機収納室数: 2
気圏戦闘機隔室扉数: 2
艦橋:
放熱器数: 124

重量
2390
300
 


400

300

34
124


装甲値(16点/t): 960
  船首
  右翼
  左翼
  船体
  エンジン

武装:
  船首:

    PPC
    PPC
    LRM20
    LRM20
    大口径レーザー
    大口径レーザー
    中口径レーザー
    中口径レーザー

  左右翼:
    PPC
    AC/5
    AC/5
    LRM20
    LRM20
    AC/20
    中口径レーザー
    中口径レーザー

  後部左右翼:
    PPC
    AC/10
    大口径レーザー
    中口径レーザー
    中口径レーザー

  船尾:
    AC/20
    LRM10
    中口径レーザー
    中口径レーザー

60
220
190
190
260
100



































概要:
 “アキレス級降下船”は主に他の降下船や気圏戦闘機と戦闘をする為に設計されたもので、その様な設計をされたものの中でも未だに現存している数少ない降下船の1つである。大気圏飛行能力は欠いているが、この船は宇宙空間で高い機動性を持ち、他の如何なる降下船よりも速く、大部分の中量級と重量級の気圏戦闘機よりも速く、移動する事が可能なのである。
 アキレス級の設計は、比較的単純なものである。この船は45000tの重量で、船の半分以上がその非常に強力なジーベックス-12S核融合駆動システムによって消費されているのである。この船はしばしば“良好な武装の施された核融合駆動システム”と評されている――しかし、この高出力の駆動システムはそれ自身に問題を抱えているのであった。駆動システムが全力推進で稼動した時、そのエンジンは震え、激しく振動をする。そして、長期間の使用が為された後には、この振動は耐え難いものとなり、弾薬を使用する兵器システムへの給弾不良を起すのである。この様な給弾不良が発生する可能性は、振動が続く1分間ごとに約3%であると予測されている。一度、給弾不良が発生したのならば、その兵器システムは人の手でクリアーにして組みなおす必要があるであろう。
 アキレス級の内部は、大部分の艦船と異なっている。この船は少数の大型のデッキの代りに、多くの長く狭いデッキで以って建造されているのである。この船の前部の3つのデッキは、殆どがもっぱら長距離追跡システムと航行システム、前部ウェポン・ベイで以って埋められている。そこは狭い通路を除いては、歩ける空間が殆ど存在していない。
 この区画の真後ろは乗組員用のデッキで、そこにはこの船の60人の乗組員用の宿所が置かれている。また、ここには娯楽室、食堂、診療所、クリーニング室、廃物加工施設も置かれている。乗組員区画の背後は、船の燃料貯蔵庫、左右舷側ウェポン・ベイ、弾薬庫用の広大なエリアである。
 その区画の先はコントロール・デッキで、そこには船の艦橋、機関制御室、メインコンピューター・システム、通信装置が配置されている。そして、この船の巨大な核融合駆動装置は、船の残り部分の大半を占めている。このエンジン・コアの両側には、それぞれ2つの小型宇宙船格納庫を備えた小型宇宙船用のベイが配置されている。通常、この小型宇宙船の定数は、気圏戦闘機2機と拿捕作戦で用いる為の海兵隊を運ぶ宇宙船が2隻となっている。
 アキレス級は、惑星強襲部隊や戦闘に突入する宇宙防衛軍を先導するのに使用される。この船の高機動能力は、この船を優れた対戦闘機艦へとしている。防御的作戦に於けるその一般的な戦術は、敵艦隊に戦闘機群を直接率いて突入して最弱の船へと向かう事である。敵戦闘機は大抵の場合、攻撃してくるアキレス級の阻止を試みては、アキレス級降下船に追随してきた戦闘機群によって背後から襲われるだけの事となるであろう。
 攻撃的作戦に於いては、この船は攻撃を掛ける戦闘機群に同行し、友軍の戦闘機群と共に敵の艦船を攻撃する。その強大な火力により、アキレス級は一度に複数の敵戦闘機を破壊したり、複数の降下船と射撃戦闘にて交戦する事が可能なのである。
 アキレス級は、星間連盟の初期にまで遡れる稀少な降下船である。この船は、初期の継承権戦争を生き残る事ができなかった星間連盟の巨大な巡洋戦艦群の親類的存在の唯一の生き残りである。第1次継承権戦争がアキレス級建造用の施設の大部分を破壊した事により、星間連盟の莫大な装備備蓄にアクセスできる者達によってのみ、アキレス級の残存船は維持されている。現行の装備で以ってこの船を整備しようとの試みは為されているが、これまでの所は有望な結果は出ていない。
 現在、クリタ家がこの強襲船を最大の数量で保有し、これ以外の残余は他の4つの継承国家の中に薄く均等に散らばっているものと思われる。



私的解説:

 アキレス級は、宇宙戦闘用に特化した強襲降下船です。最大推力発揮時の振動問題は深刻なものですが、その打撃力と速度は強大で対降下船戦闘ではかなり頼もしい存在となるでしょう。航空機型降下船の最大の弱点とも言える射界上の大きな死角も、大抵の中量級・重量級戦闘機よりも速いその速度によって補われており、狙われにくくなっています。

 アキレス級の建造施設は継承権戦争の最中もドラコ連合内にて生き残り、長い間ドラコ連合がこの船を継承国家の中で最大数保有する基盤となっていました。しかし、3050年代の氏族の侵攻にて、スモークジャガー氏族により建造施設が存在する惑星“シュイラー”が占領され、ドラコ連合のアキレス級の生産は大打撃を受けます。そして不可思議な事に、ここでどうやってかカペラ大連邦国が急にアキレス級の改良型の建造を可能とし、建造を開始します。これにより、アキレス級の保有数の比率は変わり始めているようです。しかし、3059年に実施されたブルドッグ作戦にて、ドラコ連合は惑星“シュイラー”を奪還しました。今後、アキレス級の保有比率がどう変化するかは興味深い所です。

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