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第4次継承権戦争: シロトリ戦 |
シロトリ
惑星“シロトリ”を奪取する為の第3ドネガル防衛軍の行動は、ライラ共和国内の政治的大変動と密接に結び付いているのを証明する事となった。ドネガル防衛軍は、第1プロセルピナ軽機隊と膠着状態に陥っていた。“戦間期”の直前、ウォルター・レストレード大佐は増援を要請していた。しかし、その代わりに彼は2月にライラ共和国に召還され、以後自分の部隊に戻る事はなかった。そして、ジェームズ・ランスロット・ヒッパー大佐が第3ドネガル防衛軍の指揮を執る為に3月に着任したのであった。
この作戦の最中の指揮官の交代に他の士官達は不満を抱いた。しかし、最悪のニュースは、LCAFが惑星“シロトリ”に全く援軍を送らず第3ドネガル防衛軍を支援なしで新米指揮官を戴く状態にした事であった。良いニュースは、その新米が戦術の大家の類であった事である。
第3ドネガル防衛軍が地方の大部分を握る一方で、第1プロセルピナ軽機隊は惑星の3つの主要都市の全てを握っていた。経験をより積んでいるプロセルピナ軽機隊は4個大隊を保有していたが故に、彼等は堂々たる戦闘で第3ドネガル防衛軍を敗北させる事が可能であったかも知れない。しかし、彼等は自軍を集結させる為に、どの都市を明け渡すのも気が進まなかった。その代わりに、彼等はその優秀な偵察能力と高名な一撃離脱戦術で以て、ドネガル防衛軍を倒す事を選んだ。例えば、ライラ人達が都市マッソナ攻撃の為に集結した時、都市ブルスクと都市メイジャーから来たプロセルピナ軽機隊の大隊が彼等の側面に出現した。ドネガル防衛軍は対応をできるまでの間に1個中隊のメックを失い、その頃には、プロセルピナ軽機隊は消え去っていたのである。
ヒッパー大佐の諜報報告は、第1プロセルピナ軽機隊の指揮官マシャカ・ヒロヒト大佐が都市メイジャーから作戦行動を指揮している事を指し示していた。また、捕えた都市メイジャーの伝令は、大佐はLCAFに対する戦略と攻撃部隊を話し合う為に毎朝6:30に幕僚と会議を持っている、との事をライラ人達に伝えていた。そして、ライラ人達が修理用のメック部品を積んだドラコ連合のトラック輸送隊を非常に幸運にも捕まえた時、ヒッパー大佐はヒロヒト大佐とプロセルピナ軽機隊の戦術能力を無力化する驚くべきアイディアを思い付いたのであった。
クリタの都市ブルスクの郊外に2個中隊を残し、彼はその他の第3ドネガル防衛軍を都市メイジャー郊外の低地に導いた。彼は捕えたドラコ連合の重輸送車隊の護衛に偽装した2個小隊のメックを都市に送り込んだ。一度、防衛線の内側に入った後は、その小隊群はヒロヒト大佐の司令掩蔽壕から400mしか離れていない駐機格納庫の背後に隠れた。
その真夜中、ライラの2個中隊はドラコ連合の警戒隊を都市メイジャーから離すべく都市ブルスクに対して陽動攻撃を行った。そして、6:30、レンジャー小隊とクラッシャー小隊はドラコ連合の司令掩蔽壕に対する攻撃を開始し、それと同時に第3ドネガル防衛軍の残りも都市外辺部への攻撃を行った。ここでクリタ軍は都市の外辺部を保持し都市内の2個小隊を撃滅したが、それらの小隊は自らの任務を達成していたのであった。ヒロヒト大佐とその幕僚達の半分が殺害された事は、プロセルピナ軽機隊を半身不随にして経験がより少ない士官の手にそれを握らせる事となった。2日間で、都市メイジャーはLCAFの支配下に降った。ブルスクが陥落したのはその3日後である。一週間後、プロセルピナ軽機隊の残存部隊は惑星“シロトリ”から撤退した。