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第4次継承権戦争: アーボリス戦


アーボリス
 惑星“アーボリス”を防衛しているのは、4月に遥か離れている惑星“メンケ”からの長距離配置転換をしてきたマッカロン装甲機兵団の第1連隊であった。この“ビッグ・マック”は、ウルフ竜機兵団に似ている――ジェイム・ウルフが名誉を動機としており、アーチボルド・マッカロンが略奪を動機としている事を除けばだが――5個連隊の傭兵部隊である。3022年から3023年に掛けて、この5個連隊は恒星連邦に侵攻し、多くの世界で強奪をし、略奪をしていた。AFFSは、この“ビッグ・マック”に対して復讐を誓っていた。
 第33アヴァロン軽機隊RCTと2個連隊のブルースター・イレギュラーズの指揮官達は、自分達の敵についてのホロテープを詳細に調べる事に時間を費やした。そして、この準備は、彼等が第1マッカロン装甲機兵団とその指揮官マイケル・ウィルソン大佐に関する欠点を発見した時に報われたのであった。
 最初の降下は、ウィルソン大佐が軽機隊とブルースター・イレギュラーズを自分の方に来させるのを選んだ事により、抵抗を受ける事はなかった。装甲機兵団は、草が密生する広大な平原――前以て準備されたウィルソン大佐のメック部隊をダヴィオンのセンサーから隠せる場所――でダヴィオン軍と対戦するのを選択した。そして、戦闘が開始された時、マッカロンのメック部隊は突然に姿を消し始めたのであった。混乱したAFFS部隊は、ここでウィルソン大佐がメック・サイズの野戦掩体壕で平原を通り抜けてダヴィオン側のセンサーを無効化している事に気付いた。マッカロンのメック部隊は身を屈めて通りぬけるダヴィオンのメックを待ち、その後に背後から現れて攻撃したのである。
 12月18日の朝、軽機隊の指揮官は自らの戦闘機部隊の全てをこの傭兵部隊に対して送り込んだ。ウィルソン大佐は卓越した野戦の戦術家であったが、戦闘機に対しては偏見を持っており、それの指揮は拙かった。MIIOのエージェント達は、戦場の上ではマッカロンの戦闘機部隊は良い仕事を行うが、その飛行場の近くでは仕事が非常に杜撰である事を発見していたのである。ダヴィオンの戦闘機群が出現した時、迎撃に上がれたマッカロンの戦闘機は少数であった。そして、マッカロンの航空大隊の大部分は、地上で破壊されたのであった。
 航空優勢が完全なものになった事により、ダヴィオンの戦闘機部隊は隠れているマッカロンのメック群の監視を開始した。そして、戦闘機部隊によって執拗な攻撃を受けたマッカロン装甲機兵団の第1連隊は、ブルースター・イレギュラーズが突撃してくる事に最後の瞬間まで気付けなかったのである。続いてのメック対メックの戦闘は、この傭兵部隊に僅か1個大隊しか残さなかった。自分の敗北を悟ったウィルソン大佐は、惑星“アーボリス”からの撤退を命じた。


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