辺境
ストラング男爵領
ライラ共和国の外縁部に位置するストラング男爵領(時に“希望の失われし地”と呼ばれる)は、自身を男爵と宣言するオットー・フォン・ストラング男爵により支配された小さな惑星である。男爵は、第18アマリス追撃隊――アマリス内戦時にアレキサンダー・ケレンスキー将軍の軍勢に抵抗し、最後に撃破されたメック部隊の内の1つである――の指揮官ガンサール・ストラング大佐の子孫である。現在、フォン・ストラング男爵は“奪還の聖戦”実行の為に必要十分な数のメックウォリアー達をかき集め、過去にアマリス家により統治されていて今は失われている辺境世界共和国の全惑星を取り戻す事を夢見ている。彼に、このような恐るべき計画の遂行能力があると思っている人々は極少数であるとは言え(大多数は彼を誇大妄想狂と思っている)、彼の一族は幸運にもダイヤモンドの鉱床を保有し、時折にでも彼へ奉仕してくれるメックウォリアーを惹き付けるには十分に魅力的なものがあるのも事実である。また、フォン・ストラングは古の星間連盟期に関する事物全てを心底嫌悪しており、中心領域全てに対しても同様の偏見を持っている。かような次第で、中心領域から彼の領地に到来するどのような物資(もしくは人員)も、即時の押収と投獄が行われるのが通例である。
フォン・ストラングは、中心領域より“必然的”に来る筈の侵略を諦めさせるべく、惑星を巨大な要塞で固められた駐留地に変えた。また、この来るべき侵略への備えは、彼が惑星の一般市民達を地方領主の封建制度の中に縛り続ける事への正当な理由となっており、住民達に労働力及び生活関連の奉仕を提供させ続けている。近年、フォン・ストラングの軍勢は、概算で1個大隊以上のバトルメック部隊、2隻の降下船、1隻の航宙艦を保有し、ライラ共和国の国境沿いの前哨拠点に対する襲撃を開始している。ライラ共和国は今の所この襲撃を無視しているが、ある時点でフォン・ストラングの首を取りに立ち向う事を決断するかもしれない。
惑星名: フォン・ストラング・ワールド (Von Strang's World)
恒星型: F5III
軌道番号: 4
ジャンプ・ポイント行程日数: 14.93日
リチャージ・ステーション: 無し
領有貴族: オットー・フォン・ストラング
コムスター施設: 無し
コムスター代表者: 無し
人口: 18000〜20000
原生生命%、進化レベル: 20%、哺乳類
消滅した辺境世界共和国の端に位置する温暖な世界である“ストラング・ワールド”は、ステファン・アマリス支持者達の子孫が住む本拠惑星である。惑星の現在の人口は、読み書きの出来る技術者、建築に身を捧げる封建的労働者達、100の要塞をメンテナンスする要員で構成されている。過去の外敵からの防衛が必要かもしれないとの一度の判断は、惑星の古風な社会に義務を負わせるものであり、それはフォン・ストラングの一族の望みに大多数の住民を従属させ続けるのを正当化する事に使われた。
現在、惑星には18000人以上の居住者が存在すると思われる。この世界への外部からの接触は常に落胆する結果となり、“フォン・ストラング・ワールド”を訪れて戻って来られる人間は極少数である。帰還出来た人々の報告によると、この星は天然資源に乏しく、また同様に、住民個々の自由も乏しいとの事である。