スターシーズ (STAR SEEDS)


 “聖戦”が開始されて以降に創設された数少ない傭兵部隊の1つであるスターシーズの起源は謎に包まれたままである。この歩兵だけからなる部隊の出自に関する噂は、ワード・オブ・ブレイクのROMの離脱者達であるとのものから、コンパス座のブラックウォリアーズであるとのもの、DESTの反逆者達であるというものまでの多岐に渡っている。知られているものの中で確かなのは、ある時点でマーセル・ウェッブ大尉が惑星“ガラテア”を訪れ、負債はないとの宣言と共に自らの部隊を静かに委員会(MRBC)に登録し、3068年6月に即座にインターステラー・エクスペディションズ(IE)と契約を結んだ事である。
 その後、続いての1年間に渡りスターシーズは姿を消し、その自らの存続を事実というよりも噂に近いものと見なされる様にしていった。伝えられる所では、スターシーズは惑星“トーマーン”でのジェイドファルコンとグリーン・ゴーストの間の戦闘に関与し、更には惑星から撤退する際にグリーン・ゴーストの降下船を1隻捕獲する事さえもしたと推定されている。それについての現在の噂が伝える所によれば、スターシーズはセンサーの有効範囲外のぎりぎりにてグリーン・ゴーストのマゼラン級航宙艦の近くで待ち伏せし、(精密な砲術と狂気に近い勇敢さで以て)オーバーロード級降下船のメック隔室扉を手際良く吹き飛ばしてそこに大穴を開けた。それから、そのエレファント級降下船の強力な磁気ロッキングクランプを使用してスターシーズは目標降下船を押さえ込み、その降下船を包囲すべく改良型のピュリファイアー・バトルスーツの数個分隊を吐き出し、やがては降下船を捕獲した――そして、その全てはグリーン・ゴーストのマゼラン級航宙艦から完全に見える所にて行われた、との事である。しかしながら、IEがグリーン・ゴーストの事件とその正体について――ここ数年に渡り彼等が興味を抱いていたものについて――沈黙し続けている事から、この話は信憑性のないものであるとほぼ無視されている。
 また、スターシーズがその戦闘序列に1隻のエレファント級降下船(“シーシュポス”)を有しているというのは問題のある事実である。このコムスター船籍であった降下船は、スターシーズの保有するトランプ級航宙艦“ヴォルテックス”と共に太陽系のタイタン造船所にて失われたとされているのである。その上、この不可思議なペアは、スターシーズの2隻目の降下船、コンドル級の“ブラックフェザー”――3067年の中期に第6自由世界同盟軍団から行方不明となった降下船――で以て締め括られているのであった。
 更に、この部隊の伝えられている編成も同様に奇妙なものである。歩兵を完全に主力としているスターシーズに所属している全ての兵士は無重力の海兵的作戦(宇宙空間や艦内での無重力戦闘)に熟練している様に見え、彼等の内の半分は雑多な機種を使用するバトルアーマー歩兵としての訓練を受けており、6人編成の分隊で配備されている。その圧倒的多数のピュリファイアー・バトルスーツの存在は、彼等の起源がワード・オブ・ブレイクかコムスターにある、との噂に信憑性を与えている。しかし、未だにスターシーズには如何なるワード・オブ・ブレイクの作戦の支援をした事も確認されていないのであった。スターシーズはまた、少なくとも各1個分隊のライデン・バトルアーマーとアキレウス・バトルアーマーを保有している。そして、彼等は1着のヴォイド・バトルアーマー、1着のカナヅチ・バトルアーマー、数着のキャバリア・バトルアーマー、更には1〜3着のファ・シー・バトルアーマーも保有していると信じられている。それらの機種の内の幾つかのジャンプジェットの欠如を鑑みると、海兵的戦闘を非常に得意としている部隊がそれらの用途が限定されている機種のバトルアーマーを使用するのは些か疑わしいが、完全な情報明細が入手されない限り評論家達も推測しかできないものである。
 最近になり、ウェップ大尉はINNの通信員マイケル・ボズワースのインタビューに応じており、そのインタビューにて彼は自らの部隊が惑星“オレステス”での近年の戦闘に関与した事を認めている。彼は当時のスターシーズの雇用主(彼等のIEとの契約は3070年1月に期限が切れていた)の名を明かす事は拒否したが、彼は捕虜とその他の民間人達を未知の場所に輸送していた1隻のスターロード級航宙艦、WBJS(ワード・オブ・ブレイク航宙艦)“ヨーク・オブ・ピュリティ”の破壊に自分達が関与した事に言及はしている。スターシーズはまた、“ヨーク・オブ・ピュリティ”を破壊する前に1隻の降下船を捕獲したと伝えられているが、その降下船とその乗員達の行方については依然として不明である。
 スターシーズは現在、ライラ同盟により高い機密性のある契約を持ち掛けられている。ウェップ大尉とベリンダ・ヨセー大尉――惑星“ガラテア”に駐留しているロキの知られているエージェント――が会っているとの目撃例は、彼等の作戦任務が惑星“ターカッド”もしくは現在ブレイク教徒による封鎖下にあるライラ同盟の他の主要な世界に関係しているものなのではないかとの憶測を生じさせている。

ドラグーン・レーティング:

スターシーズ
 スターシーズの全ての兵士達――通常歩兵とバトルアーマー歩兵――は、海兵的な侵攻と無重力戦闘に高度に熟練している。その各分隊は歩兵部隊も含んで6つの単位に分かれたものである。そして、彼等の静かな有効性と標準的でない戦術の使用は、彼等が元・“ライト・オブ・マンカインド”(注:ワード・オブ・ブレイクの特殊部隊)か元・“フューリー”(注:第2次星間連盟の特殊部隊)の兵士である、との噂に強い信憑性を与えている。スターシーズの現在推定されている戦力は、6個分隊のバトルアーマーと15個分隊の通常歩兵で構成されたものである。この傭兵部隊は完全な技術支援と輸送支援を持っており、契約交渉に於いて指揮権を手放す事は絶対しない。


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