ローンウルヴズ――“非干渉主義傭兵部隊”
(LONE WOLVES: LAISSEZ-FAIR MERCENARIES)


 ある点に於いて、第3次継承権戦争で非常に一般的であった延々と続く低強度戦闘は、それを戦う戦士達にとって前の2つの戦争の迅速な残忍さよりも過酷なものであった――絶えず続く戦闘は戦士の神経を壊す可能性があるものだからである。大部分の者達は忍耐強かったが、幾人かの堪忍袋の緒が切れた者達は自分達が好まない命令に従うのを拒絶したり単に戦闘の中心から逃げ去ったりした。様々な王家から飛び出してきたかような戦士達の集団は30世紀中期のある時に惑星“ガラテア”で出会い、他にはない型破りなローンウルヴズ傭兵部隊を創設した。そして、時の経過と共に彼等の悪名は高くなっていき、反抗的な兵士達は多くの場合、彼等を部隊から追い出す礼儀正しい方法の1つとして、その指揮官により「出て行ってローンウルヴズに入隊しろ」と伝えられる事になるのであった。
 ローンウルヴズは安定している数少ない傭兵部隊の内の1つであり、その歴史に於いてMRBCに登録した事は全くなく、他の如何なる市場戦略よりも口コミの方に重きを置いている。このMRBCの認可を欠いている事はまた、厳格な行動規範(この部隊の多くの者はそれを非常に嫌っている)の固守をするのではなく、契約を緩く解釈する事についてより大きな自由度を彼等に許しているものでもある。
 建前上は単一の部隊であるが、連邦=共和国内戦の際には、ローンウルヴズの独特の組織形態は彼等に1つの星系に進入しての“セット販売”のサービスを売り出す事を可能とさせ、そこにて彼等は本隊から1個以上の小隊もしくは複数の中隊へと分かれていった。この事はその戦争全体を通じてローンウルヴズを“レーダーの外”に留め置き、もし“コミッティー”が戦争終結後に公表しなかったのならばこの活動は気付かれないままでいた可能性があるものである。そして、事態は奇妙に進み、ローンウルヴズは惑星“アウトリーチ”に再結集して1つに纏まると惑星政府に対して自分達のサービスを買う事を持ち掛け、(惑星政府が)雇うのならば自分達はMRBCに登録するつもりがあると言っているのであった。この突然の方針転換の動機については多くの者達の好奇心を刺激しているが、惑星“アウトリーチ”政府は現在の所はその持ち掛けに対して躊躇している――何故ならば、彼等は恐るべきウルフ竜機兵団を既に利用可能だからである。
 ローンウルヴズは、特定の様式の塗装を全くしてはいない。彼等の徽章は、青と金の円盤を背景とする狼の顔である。

ドラグーン・レーティング: 未評価

主要士官
 ローンウルヴズの指揮中隊とその統合された支援人員達――単に“コミッッティー(委員会)”の名で知られているものが、部隊の全ての運用を取り仕切っている。これらの士官達は、ローンウルヴズに最も長く在籍している戦士達である。その大部分は、以前の部隊から追い出されたり、単に規則や制服、あるいはその上官にうんざりしたのであった。この“コミッティー”が全ての契約の交渉をし、部隊内の補給物資の価格を設定し、戦闘をした全ての兵士達が朝には報酬を受け取る事を確実にしている。

戦術
 その普通ではない指揮系統と異常な程に高い再編率の為に、ローンウルヴズは如何なる固有の特徴となる様な戦術や戦略も発展させてはいない。しかしながら、その多数の小部隊は、元所属していた部隊の戦術を自分達と共に持ち込んできているものである。ローンウルヴズが著名となっている理由の1つは、これから起る戦闘を嗅ぎ付けてくるその能力と、それが勃発する直前に不可解な事にそこに出現するその特異な能力にある。

支援
 ローンウルヴズに於いて不変であるのは、その印象的な修理/改修設備である。その技術要員達は一流であり、メック戦士達に対して課される料金もそれを反映したものとなっている。全てのスクラップ・装甲・マイアマー繊維、それと全ての弾丸は、個々の兵士達のポケットマネーによって購入されなければならない。

ローンウルヴズ
部隊規模: 1個メック連隊 熟練度: 一般 忠誠度: 信頼

指揮官: “コミッティー”

 ローンウルヴズのバトルメック連隊は軽い方に片寄っている傾向があるが、その少数の小隊は強襲型のみで構成されている。

ローンウルヴズ支援部隊
部隊規模: 1個混成大隊 熟練度: 一般 忠誠度: 疑問

指揮官: “コミッティー”

 ローンウルヴズの支援部隊は、歩兵部隊・装甲部隊・気圏戦闘機部隊の寄せ集めである。その規模・編成・技術は、1週間ごとに変化する傾向がある。


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