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グリーン・マシーン――“衰退の苦味” (THE GREEN MACHINE: THE BITTER TASTE OF DECAY) |
ある部隊は時折、比較的容易である契約で年月を費やす事によって、過酷な戦闘の厳しさに不慣れな“年寄り”になってしまうものである。グリーン・マシーンにとって25年間の駐留任務は幾らかのアップグレード用の資金を支払うのに十分なものであるが、それでもそれは単なる駐留任務に過ぎないものであった――この傭兵部隊は20年以上に渡り戦闘を経験せず、それが見え見えであったのである。3050年、グリーン・マシーンは連邦=共和国のライラ側に存在する惑星“カオルーン”に駐留していたが、その宙域にいた他の多くの傭兵部隊とは異なり彼等は氏族との戦闘に投入される事はなく、代りにその宙域の一連のマイナーな工業プラントの防衛に配置され、後にはセントアイヴズ協定国境の惑星“パーヴォ”に配置された。3062年中期には、グリーン・マシーンの熟練メック戦士と士官達の大部分は、引退をするかより活動的でより給与の良い他の部隊にて職を得るかをしていた。グリーン大佐は自分に可能な限りのあらゆる手を尽くして代替要員を探し求めたが、その結果は昨年に行われた演習に於いて痛ましく明白なものとなった――その時、パーヴォの市民軍は3日間のシミュレーションにてこの傭兵部隊を打ち負かしたのである。それが本当の戦闘であった場合、それはグリーン・マシーンに85%の損害を与えていたものと推定された。故に、惑星“パーヴォ”の当局が彼等の契約の更新を拒否したのは、特に驚くべきものではなかったのであった。
グリーン・マシーンは現在、マイナーな雇用斡旋惑星である“ウェスターハンド”に存在しており、そこに存在している多数のより状態が多少悪い新部隊や“落ち零れ”の群れの中では、彼等のその冴えない名声はそれ程目立つものではない。この傭兵部隊の将来に関する見解は、また同じ歴史を繰り返すのではないか、というものばかりである。しかも、その最高の才能を持っている新入隊者も、多少の経験を積んだ後にはより有益な職場を見つけられるのであった。
グリーン・マシーンの徽章は、ビルを破壊しているバトルメックの脚、それを円形の盤の中に置いたものである。この徽章はメックの左脚に塗装されており、また、パッチとして右肩に身に着けられている。この部隊の塗装色は、錆茶色でハイライトされたプライマーと緑色である。
ドラグーン・レーティング: F
主要士官
マクスウェル・グリーン大佐が年を取っていく一方で、彼の部隊自体は若くなっている。現在、彼の副指揮官かつアルファ中隊指揮官は若干19歳である。そして、ブラヴォー中隊の指揮官は“大人の非行少年”であり、チャーリー中隊の指揮官はライラでの軍務に留まり続けるには不適格に過ぎると見なされたアルコール中毒の廃人なのである。これらの困難にも拘らず、グリーン大佐は自分が死ぬ前に戦場で何らかの勝利を収める事を切望している。
グリーンの副官であるリアノン・スライゲ大尉は、テンプタウンでの新年パーティーにてグリーン大佐によって勧誘された天賦の才を持つ生来の戦術家である。コンバインド・アームズ科のトップの学生であったスライゲ大尉は、グリーン・マシーンで職務を遂行する為に最近になりアウトリーチ傭兵養成校を中退している。自分の教育過程を修了するのを投げ捨てでも早くキャリアを開始したいというその彼女の欲求は、この傭兵部隊が遂に崩壊する時が来た場合には彼女に苦難をもたらすかも知れない。
戦術
かつては強力な一線級の戦闘部隊であったグリーン・マシーンは、現在は辛うじて都市部の支援任務を遂行するのに適合している。グリーン大佐の年齢の増加――彼は今年に71歳を迎えるであろう――とこの部隊の未熟さと無能力さが合わさった結果、この部隊はマイナーな惑星市民軍との模擬演習に於いて手酷い目にあっている。
支援
グリーン・マシーンは、常時その機体の85%の稼働を維持するだけのものしか技術支援を持っていない。大隊は単独で行動をしており、降下船は老朽化しており、航宙艦は全く所有していない。
グリーン・マシーン |
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