出典: Technical Readout: 3039、Technical Readout: Succession Wars
HBK-4G ハンチバック
重量: 50t
シャシー: クルーシス・タイプV
パワープラント: ニッサン200
巡航速度: 43km/h
最高速度: 64km/h
ジャンプジェット: 無し
ジャンプ能力: 無し
装甲板: スターシールド
製造元: カーリーヤマ・ウェポンインダストリーズ
主工場: カーリーダーサ
通信システム: オミクロン4002・ネットワーキングチャンネル
照準・追尾システム: TRSSイーグルアイ
HBK-4G ハンチバック 技術基盤: 総重量: 機体中枢: エンジン: 歩行MP: 走行MP: ジャンプMP: 放熱器数: ジャイロ: 操縦席: 装甲値: |
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重量 |
頭部 胴中央/背面 左右胴/背面 左右腕 左右脚 |
中枢値 |
装甲値 |
武器・弾薬
種別 AC/20 弾薬(AC)10 中口径レーザー 中口径レーザー 小口径レーザー |
部位 右胴 左胴 右腕 左腕 頭 |
装備欄数 |
重量 |
概要:
2572年に登場した初期の設計機であるこのハンチバックは、“再統合戦争”に於ける多数の市街戦の最中に名を揚げた中距離〜近距離の打撃機である。その市街戦能力により著名であったこのハンチバックは、程無く多くのメック戦士達の尊敬と称賛を勝ち取った。
そのオリジナルのコミヤバ/ニッサン・ジェネラル・インダストリーズ社の工場群は継承権戦争の最中に破壊されたが、カーリーヤマ社はハンチバックの権利を取得し、それから間もなくそれは自由世界同盟向けにこの設計機の製造を開始した。
性能:
ハンチバックの質量の1/3近くを占めているそのAC/20は、この設計機を全面的に定義するものとなっている。一発で装甲を剥いで中枢まで食い込む事ができるこのカーリーヤマ・ビッグボアは、強襲型メックを操縦するメック戦士達の間でさえも非常に恐れられている。そして、その腕搭載型の2基の中口径レーザーと1基の小口径レーザーが、中距離から近距離の武装の締め括りをしている。しかし、これらの兵装は有力なものではあるが、それらを一斉に射撃した際には13基の放熱器があるにも拘わらずこの設計機をそれなりに高温にするであろう。
その10tのスターシールド装甲は多くの重量級の設計機に比肩するものであるが、実際の戦闘に於いて、多くのメック戦士達がそれを晒す事になる極限状況に対してはそれは余りにも軽すぎるものである事が示されている。二次システムが殆ど存在しないが故に、その装甲が一度破られたのならば、そのメック戦士は大抵の場合に於いてオートキャノンもしくは更に悪い事に弾薬に直撃を受ける事になるであろう。
戦闘部隊に於ける最前衛部隊について行くには鈍重に過ぎるが故に、ハンチバックは大抵の場合に於いて第2波の一員となり、その恐るべき主砲を使用して敵の弱体化した装甲を大いに食い物にする。防衛者達が戦闘に勝利したと感じたとしても、1機の新手のハンチバックが乱入して1〜2斉射で以てバトルメックを倒す姿を見てその士気が急降下する羽目になるのはよくある事である。
配備:
より古い設計のバトルメックであるが故に、このハンチバックは大王家と辺境国家の全ての軍内にてその姿が見掛けられるものである。この設計機はドラコ連合とカペラ大連邦国で特に好まれている――その両国の決闘を好む性質と両国によって用いられるオール・オア・ナッシングの戦術に良く適合しているが故に。また、そのハンチバックの唯一の工場がマーリック宙域に位置している事により、このメックは自由世界同盟の軍によって広範に使用されてもいる。
“3039年戦争”の最中の惑星“エリデレIV”を巡る戦役に於いて、第9ゴースト連隊は自分達のハンチバックの内の2機に対してプロトタイプ・ガウスライフルを応急装備させる事ができた。それらの初期の使用はスクリーミング・イーグルス傭兵部隊の不意を完全に衝いた――彼等はかような遠距離から自分達が何故これ程までに大きなダメージを受けるのか全くわからなかったのである。そして、30分を経ずして麾下の部隊のほぼ半分を失った後、ホーカラ大佐は降参と撤退の意志がある事を発信したのであった。第9ゴースト連隊の技術者達がこの新兵器のバランス問題――ガウスライフルを射撃した際にそのメックは大抵はよろめき悪い場合には転倒をした――を解決する事ができなかった為に、戦争終結後には元々のAC/20が再度取り付けられる事となった。
派生型:
供給の不足と個人の好みにより、“スウェイバック”と呼ばれる多数の派生型が誕生している。それらの全てがその巨大なオートキャノンを取り除いており、より小型でより多数の兵器――その中で最も人気のあるのが中口径レーザーの砲列のもの(HBK-4P型)もしくは短距離ミサイルラック群のもの(HBK-4SP型)である――を搭載している。4H型や4N型といったその他の型は小型のオートキャノンと追加の中口径レーザーを使用しており、(4J型の様な)幾つかの型では長距離ミサイルで以てその“スウェイバック”を火力支援機に変えてさえもいる。
著名なメック戦士
武装戦士(メック戦士)サンディ“タートル”ポーター
第9ゴースト連隊によって改修された2機のハンチバック・シャシーの内の1機を操縦するポーターは、戦闘の最中にその自分のメックを立たせている時間よりも仰向けに倒れさせている時間の方が長い事で有名となった。かような状況が非常に悪化していったが故に、ポーターは第9ゴースト連隊の技術者達に自分のメックの装甲を再配置させて背面胴を強化させた。彼女はまた、射撃の際には自機を建造物や大木に寄り掛からせたが、それは木をへし折り建造物を破壊するのみに終わった様である。これらの問題にも拘わらず、武装戦士ポーターは自機(“ファイブ・チャンス”との愛称を付けていた)に加えられた改修を楽しんでおり、それをその元々の構成に復帰させるよう命令された事を彼女は悲しんだ。
メック戦士マイケル・ガイ
マーリック宙域への襲撃の最中に鹵獲したハンチバックを操縦するマイケルは、彼の歩兵小隊がライラのバトルメック部隊に同行する事になるまでは3年間に渡り失機者のメック戦士であった。他の失機者のメック戦士達との“じゃんけん”のゲームでその機体を勝ち取り、それにマイケルは“ネバーアゲイン”と名付けた。マイケルはかつてはより非常に重いヴィクターを操縦していたにも拘わらず、「その戦術は同じだ――接近をし、質量の中心を狙い、自分か相手かが倒れるまで射撃ボタンを押し続けるのだ」と述べている。この信念に対し、彼の同僚達はそもそもそれこそが彼が失機者になった切っ掛けであると語っているものである。
私的解説:
ハンチバックは中量級メックの中でも禍々しいオーラを放っている存在です。その搭載しているAC/20はバトルテック世界で最大の打撃力を持っている兵器の1つで、重量級メックや強襲型メックにさえも一撃で致命傷を与えられる可能性があります。市街戦や混戦の中で近距離に不意に現れたハンチバックがAC/20を放ってくる姿は正に恐怖そのものでしょう。ただ、それだけに戦場で真っ先に狙われる事も多く、その生存率は多少低いものになっているみたいですが。
ハンチバックは高く評価されているメックであり、時代の進みに合わせて改良型が続々と出現しています。しかし、意外な事に、ガウスライフルとだけは相性が悪いのかガウスライフル搭載型のハンチバックは殆ど存在していませんし、僅かに存在するそれも量産には至らず少数の製造に留まっているそうです。ちょっと興味深い事実ですね。
また、“聖戦”からイルクランあたりの時代ですと、何故かハンチバックは中心領域では“スウェイバック”型ばかりが開発されており、それの正統進化型と言えるもの(ウルトラAC/20を搭載したハンチバックC)はウルフ氏族が開発していたりします。3050〜3060年代に開発された型で十分であると中心領域勢力は考えたのでしょうか? こう、その背景を深読みしてみるのも楽しいものですね。
バトルテックのボードゲームに於いては、ハンチバックの役割はそのAC/20を相手に命中させる事、それ1つに尽きます。相手が近付かざるを得ない防衛戦でこそハンチバックは一番輝きます。目標を射程に捉えたのならば、自機の損害は余り考慮せずにできるだけAC/20の命中率を上げる行動/移動(静止や歩行)をしましょう。ハンチバックはその攻撃を当てられさえすれば役割的には勝ったと言えます。攻勢等々で開けた地形を進まざるを得ない際には、ハンチバックは遠距離から集中砲火を見舞われる可能性があります。その場合には、いっそ被害担当メックになって貰うのも良いかも知れません。