自由世界同盟主要星系 3067年
ヘルム (Helm)
貴族統治者: ハリーナ・エリン領主
恒星型(充填時間): K4IV(195時間)
軌道番号: 4
ジャンプ・ポイント行程日数: 4.31日
衛星数: 無し
表面重力: 0.95
気圧: 通常(呼吸可能)
赤道気温: 30℃(冷温帯)
地表水: 58%
リチャージ・ステーション: 無し
HPG等級: B級
最高原生生命: 爬虫類
人口: 22,000,000
社会産業レベル: D−D−C−D−B
所属: スチュアート共和国
寒冷で荒涼としている惑星“ヘルム”は、人類のフロンティアの拡大によって追い越されていった農業植民地に過ぎないものとして容易く世に埋もれていったであろう。しかしながら、3つの出来事が惑星“ヘルム”を公衆の意識の中に留め続けた。だが、それらの出来事が宇宙を震撼させる影響を持つものへと収斂するのは、第4次継承権戦争の前夜になってからの事であった。
このドラマの第1幕は、SLDFのプレゼンスの惑星“ヘルム”への伸展である。フリーポート市はSLDF艦隊の貯蔵センターとして既に機能していた――星間連盟軍はこの施設を“キャッスル・ブライアン”(中心領域での戦争再発の可能性に備えた要塞と貯蔵所の複合施設)を建設する事で以て拡張したのであった。そして、“アマリスの奇襲”の結果として緊張が高まっていった時、ナガヤ山脈の“キャッスル・ブライアン”はその惑星上のSLDFの貯蔵品を隠匿する活動の中心地となった。
この貯蔵所の噂はマーリック政府の注意を引き、マーリック政府はそれの支配権を得る事を望んだ。しかし、それはまた他の継承君主達――その中で最も悪名高いのはミノル・クリタであった――も引き付け、彼等もその貯蔵所の奪取を望んだ。自分の兵士達がその物資を発見するのに失敗した時(SLDFの部隊かマーリックの部隊が既に物資を発見したという噂があった)、クリタ卿は惑星“ヘルム”の一般市民の中心地に対する懲罰攻撃を命じた。核の爆発がフリーポートとその他の市街地域の大部分を破壊し、惑星の人口のほぼ80%を殺害するか退去させるかした。今日に於いてさえも、フリーポートの廃墟は安全ではない。(それ以後は)ヘルムダウン地区が惑星の首都かつ宇宙港の機能を果し、また、遠く離れているアステロイドに存在している戦闘機格納所がSLDF艦隊基地の唯一の残存物であった。
惑星“ヘルム”のドラマの最終幕は3027年、この僻地の惑星が傭兵部隊グレイ・デス軍団にその領地として与えられた時に始まった。ナガヤ山脈の施設に関する噂がFWL内の悪辣な勢力――彼等はコムスターの無法な一団によって支援・煽動されていた――を、傭兵達に敵対的に動かしている事を彼等は知る由もなかった。そして、長期に渡る戦闘が惑星中で繰り広げられる中、惑星“ヘルム”の複雑な歴史とその隠された貯蔵品についてが解明された。ナガヤ山脈には数世代前の王家君主達によって探し求められていた莫大な物資貯蔵所が収められていただけでなく、かの結社の先進技術独占を脅かす厖大なアーカイヴ(コムスターを愕然とさせたもの)も収められていたのである。コムスターの無法なエージェントと伝えられている者達は、グレイ・デスとその他の者達を操る事によってこのアーカイヴ――ヘルム・メモリー・コアとして高名になるもの――の破壊を試みた。しかしそれはならず、彼等の陰謀の失敗はメモリー・コアとそれに付随する技術を中心領域全体へ最終的には広め、進行中であったその技術的なルネッサンスを促進した。ここ過去40年間の発展をヘルム・メモリー・コアのみのお蔭であると考えるのは過大評価であるが、それでもそのデータは技術上のロゼッタ・ストーンとなり、半分しか理解されていなかった文書とシステムを役立つものにするのを可能としたのである。
皮肉な事に、惑星“ヘルム”自体は継承国家群の好転した繁栄から僅かしか利益を得られていない――ヘルムダウン・ワークメック社の工場の拡張がこの大半が農業のままで停滞している惑星の唯一の技術的発展なのである。惑星“ヘルム”でのコムスターの陰謀の思わぬ副作用としては、長らく失われていたイェフディン海――その海水はSLDFの掘削工事により地下に閉じ込められていた――の復活がある。自由世界同盟が任命したヘルムの最高君主であるエリン領主は、ニューポート(かの古き海の海岸地方に所在する近代的な大都市であり、彼女はそれが惑星の主要な経済センターとなる事を望んでいる)の建設を監督している。