軽戦闘団(LCT)
継承権戦争の破壊の猛威が中心領域のかつては強力であった軍隊を星間連盟時代の自身の残滓に過ぎない存在へとした事により、戦闘部隊が複数のより小規模の部隊に分かれて一連の惑星に展開するのは珍しくない光景となった。恒星連邦に於いては、かつてはその国境宙域に完全編成の10個RCTを誇示していたが、第3次継承権戦争の終結時にはその同じ宙域に2〜3個RCTしか展開していなかった。
それらの大規模部隊の分割は必要性の面から生じたものであるが、兵站や有効性の面から生じたものでもある。カペラ大連邦国の様なより小規模の国家は、それを端的に証明している――当初から、彼等の副部隊群はかような様式に従って作戦するべく構築されていたのである。恒星連邦に於いて、その連隊戦闘団の強力さは自らの弱点になっていた。それは戦闘部隊総体としての軍事行動に最適化されていたが故に、それを2つに分割する事でさえも兵站や有効性に関する問題を発生させる可能性があったのであった――その支援通常部隊群に於いては、特に。
それらの弱点を認識しAFFSが氏族戦争以前の戦力を再び配備可能になるには数十年間が必要であるのを理解したジョン・ダヴィオンは、新たな戦闘編成を作り出した。当初、軽連隊戦闘団(Light Regimental Combat Team)と名付けられたその編成は、後に軽戦闘団(Light Combat Team)という名に短縮され、AFFSに於ける新たな標準となりつつある。このLCTの更なる利点は、複数のオーバーロード級やその他の大隊規模用の輸送降下船を使用して1隻のスターロード級航宙艦でその編成の大多数を輸送できる事にもあった。
軽戦闘団は、バトルメックの1個増強大隊(その大部分は概して3個中隊と2〜3個小隊で構成される1個指揮中隊から成る)を中心に編成されている。その装甲部隊は概して重装甲車輌や強襲装甲車輌の2〜3個大隊であり、それに一致した個数の装甲機動大隊(cavalry battalions)、間接砲の1個中隊が存在する。偵察は専門のVTOL戦力によって取り扱われるものであり、それらは同時に専門のバトルアーマー部隊用の輸送の中核ともなっている。LCTのそのバトルアーマー編成は連隊規模のものになる事が予定されているが、現在の所、その規模を達成しているものは極少数である。最後に、その通常歩兵部隊は、警備や戦闘工兵といった様な、支援の役割を主として果たしているものである。
―連合軍諜報報告書、3079年
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