恒星連邦軍のRCT編制、LCT編制


連隊戦闘団(RCT)

 AFFC(恒星連邦軍)の戦闘ドクトリンの根幹は、諸兵科連合の連隊戦闘団(Regimental Combat Team)、略称RCTである。その他の現代の軍隊と同様、バトルメックがAFFCの主力兵器である。しかしながら、AFFCはバトルメックが唯一の効果的な兵器であるとは見なしていないのであった。
 書類上では、このRCTは1個バトルメック連隊、3個装甲連隊(伝統的に1個重装甲連隊、2個中装甲連隊)、5個歩兵連隊(1個ジャンプ歩兵連隊、2個機械化歩兵連隊、2個歩兵連隊)、1個独立間接砲大隊、バトルメック連隊に恒久的に付属させられている2個気圏戦闘機大隊で構成されている。第4次継承権戦争後、AFFCはそのRCT内の歩兵連隊の機械化歩兵連隊への改編を開始していたが、このプロセスは氏族の出現の前には部分的にしか完了していなかった。氏族戦争の終結以降、RCTの多くは歩兵連隊の1つを1個装甲歩兵大隊(バトルアーマー大隊)に改編した。そして、これらの変更とAFFSがここ15年間に関与してきた激しい戦闘により、その“標準”に於いては少なからぬ差異が存在しているものである。
 それぞれのRCTは、それが付属させられているバトルメック連隊に由来する命名を受ける――しかしながら、その各構成部隊は本来の名称を保持するものである。RCTは、一般的には上級大将によって指揮される。

 ―SLDF報告書、3062年

 

軽戦闘団(LCT)

 継承権戦争の破壊の猛威が中心領域のかつては強力であった軍隊を星間連盟時代の自身の残滓に過ぎない存在へとした事により、戦闘部隊が複数のより小規模の部隊に分かれて一連の惑星に展開するのは珍しくない光景となった。恒星連邦に於いては、かつてはその国境宙域に完全編成の10個RCTを誇示していたが、第3次継承権戦争の終結時にはその同じ宙域に2〜3個RCTしか展開していなかった。
 それらの大規模部隊の分割は必要性の面から生じたものであるが、兵站や有効性の面から生じたものでもある。カペラ大連邦国の様なより小規模の国家は、それを端的に証明している――当初から、彼等の副部隊群はかような様式に従って作戦するべく構築されていたのである。恒星連邦に於いて、その連隊戦闘団の強力さは自らの弱点になっていた。それは戦闘部隊総体としての軍事行動に最適化されていたが故に、それを2つに分割する事でさえも兵站や有効性に関する問題を発生させる可能性があったのであった――その支援通常部隊群に於いては、特に。
 それらの弱点を認識しAFFSが氏族戦争以前の戦力を再び配備可能になるには数十年間が必要であるのを理解したジョン・ダヴィオンは、新たな戦闘編成を作り出した。当初、軽連隊戦闘団(Light Regimental Combat Team)と名付けられたその編成は、後に軽戦闘団(Light Combat Team)という名に短縮され、AFFSに於ける新たな標準となりつつある。このLCTの更なる利点は、複数のオーバーロード級やその他の大隊規模用の輸送降下船を使用して1隻のスターロード級航宙艦でその編成の大多数を輸送できる事にもあった。
 軽戦闘団は、バトルメックの1個増強大隊(その大部分は概して3個中隊と2〜3個小隊で構成される1個指揮中隊から成る)を中心に編成されている。その装甲部隊は概して重装甲車輌や強襲装甲車輌の2〜3個大隊であり、それに一致した個数の装甲機動大隊(cavalry battalions)、間接砲の1個中隊が存在する。偵察は専門のVTOL戦力によって取り扱われるものであり、それらは同時に専門のバトルアーマー部隊用の輸送の中核ともなっている。LCTのそのバトルアーマー編成は連隊規模のものになる事が予定されているが、現在の所、その規模を達成しているものは極少数である。最後に、その通常歩兵部隊は、警備や戦闘工兵といった様な、支援の役割を主として果たしているものである。

 ―連合軍諜報報告書、3079年

 

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